「鯨ヲ盗ルノハ良クアリマセンネ、スグヤメテクダサイ」
「そりゃ、盗るのは良くないが、捕るのは良いじゃないか」
「オォー、ソレハ残酷デス。カワイソー」
「君らだって、チキンを食ってるだろう」
「鶏ハ哺乳類ジャアリマセン。別ニカワイソーデアリマセン」
「って、じゃあ牛や豚は、どうなる。あれは哺乳類だぞ」
「牛ヤ豚ハ、神ガ人ニ蛋白源トシテ与エタ物デス」
「神って…な、何を根拠に…」
「聖書ニソー書イテアリマス」
「………」
「アナタハ神ヲ信ジマセンカ? 愛ハスバラシイヨ」
「愛ですか…」
「牛ヤ豚ハ、人ガ創リ出シタ動物デス。養殖ノ魚ト一緒デスネ。ハジメカラ人ニ食ベラレル為ニ産マレルノデス」
「なっ、じゃ、じゃあ、鹿はどうなる。君らは、野生の鹿を娯楽で撃ち、食べるじゃないか」
「あれは、残酷じゃないのか。」
「然トハ解リマセーン」
「駄ジャレかい! しかも寒いし」
「イイデスカ。鯨ハトテモ賢イ動物ナノデス。人間ノ次ニ賢イノデス」
「だから、殺すなって言うのか」
「当然デス。仲良クシナケレバナリマセンネ」
(おまえのようなバカは、エイリアンに喰われてしまえ)
「何カイイマシタカ?」
「なぜ日本の捕鯨だけを禁止する。エスキモーやインディアンの捕鯨を許可しているのに」
「彼ラハ、他ニ食ベル物ガ無イノデス。仕方アリマセン」
「日本が貧困に喘ぐ国なら、捕鯨を認めると?」
「日本ハトテモ豊カナ国デスネ。捕鯨ハ絶対認メラレマセン」
「40年くらい昔は、君らも随分沢山鯨を捕ったじゃないか。不凍油欲しさに相当量捕獲し、絶滅寸前まで追い込んだ。しかも、油だけ取ったら、他は全部捨てていた」
「ダカラ、悔イ改メタノデス。モウ捕リマセン。日本人ニモ1頭ダッテ許シマセン。調査捕鯨モヤメテクダサイ。鯨ガ絶滅シテシマイマス」
「調査捕鯨の成果を教えてやろう。捕鯨を全面禁止にしたおかげで鯨は物凄い数に増えている。その鯨が鰯や秋刀魚の漁場を荒し、漁業に大きな影響がでた。全人類が年間食べている魚量は、9千万トンだが、鯨類が食べる量は、5億2千万トンと算定されている。このままでは、海の生態系が破綻するぞ」
「スバラシイネ! ソウナレバ、我ガ国ノ畜産業モ潤イマス。世界ノ食肉業者ガ儲カリマスト、我ガ国ノ農家モ儲カリマスネ」
「世界に輸出されている家畜飼料用トウモロコシのほとんどは、合衆国産だからな。それが君らのやり方か、おめでたい動物愛好家をステージにあげて…」
「舞台ニアガル人ダッテ解ッテマスヨ。鯨ノ保護ハ、寄付金イッパイ。森ヲ守ルハ、金集マラナイ」
「はぁ……。やっぱり。」
追記
今や、捕鯨反対運動は、単なる動物愛護や環境保護ではなく、
一部の国の国策であり、金儲けの手段であり、環境破壊ですらあるようです。
カタカナが多くて思いの外に読み辛いです上に、つまらない内容で申し訳い。
2001年に、「しかとはわかりません」の「しかと」を
「確と」から「然と」に書き換えました。
「たしかと」と読み違える方が多かったので…。